。+:゚⋈根無草⋈:゚+。

28歳独身フリーター、竹ノ塚ツブ子。夢なし!目標なし!彼氏なし!実家暮らし!人生暇つぶし!

日曜の喫茶店

休みの日だけど職場の最寄駅まで行って個展を観てきた。
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七菜乃というヌード写真家の個展で、頑張れば仕事の合間に行ける距離だったけど、無理せず休日に来て良かった。色々考えたけど過激で長くなりそうなのでまたの機会に。とりあえず、七菜乃さんの視界にこれ以上男性が入ってこないことを祈る。
あと私も全裸になりたい。

そのあと友達の紹介て喫茶店「ミロンガ」に行ってきた。
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スパイシーワインケーキとブレンドコーヒーを頼んだ。店の佇まいも素敵だし、流れてる曲も良かった。タンゴらしいけど、私はあまり音楽に詳しくないので、それがタンゴなのかはよく分からない。ケーキもコーヒーも美味しかった。ただ、周りがカップルだらけで居心地が悪かった。自分に恋人がいないことを嘆いてるわけではなく、単純に一人客の私が二人分の席を占領しているため忍びない気持ちになる。それに、カップルの会話がどうしても耳に入るので気になる。
大テーブルに通されたのだが、アクリル板で4組になるように席が仕切られていて、3組はすでにカップルが座っていた。
斜向かいのカップルは私が注文する頃には席を立って、そのあとすぐに中年女性が一人で座り、無染色ウールの毛糸をいくつか並べて黙々と編み物を始めた。それは良いとする。
まず隣のカップルだが、おそらく今日初めて会った感じだった。そして女性側が外国人で、男性が日本人。頑張ってお互い日本語で話そうとしていたが、通じないことがあると英語を使っていた。英語での問いかけに日本語で答える場面もあった。私の英語レベルは中1なので、そうなると片方が言ってる日本語から会話を推測することになる。いや、推測する必要はないのだが。
こんな実験がある。会話を聞きながら黙々と1人でジェンガをやって、どのくらい集中力が保つかというものだ。片方のチームは、女性2人が目の前で会話をしているのを聞きながら、ジェンガを積む。もう片方のチームは、女性1人が目の前で誰かと電話しているのを聞きながら、ジェンガを積む。すると、後者の方が圧倒的にジェンガを倒すまでの時間が短かった。人間は、断片的な会話が聞こえて来る方が気になって集中力が削がれるらしい。
そんな状態なので、隣の会話が気になって仕方なかった。最終的に、女性側が男性の部屋に行きたがっていて、男性側がやんわり断っていることは掴めた。
もっと気になるのは目の前に座っていたカップルだ。終始敬語とタメ口の入り混じった口調だったので、おそらくマッチングアプリで「#本が好き」「#カフェめぐり」でマッチングして今日初めて会うのだと見た。私が来店したときにはすでにその話題だったのだが、私のコーヒーが運ばれてきてもなお「ごはんは炊き立てが美味しい」という話をしていた。主に男性側が話していて、女性側はいい感じに相槌を打つだけで、盛り上がっていないのは明らかだった。話題が変わっても、男性側が沈黙にならないように他愛もない話を続け、女性側はそれなりに興味がある風の相槌を打つだけだった。なんかもう頭を抱えた。
グラスが空いて少し経ってから女性側がトイレに立ち、その間に男性側が店員を呼んでおすすめのメニューを聞き、少し珍しいビールか何かの説明を受け、女性が長めのトイレから戻ってくる頃には注文したものが届いていた。というのを2回ほどやっていた。卒なくこなすことが男性の今日の目標で、場の空気を読みつつ当たり障りなく接するのが女性の今日の目標なのかも知れない。
結局、一番盛り上がっていたのは会社の愚痴だった。男性は営業職、女性は販売接客系の仕事をしているようだ。色んなことが裏目に出ていたように思う。当たり障りのない話、人当たりの良い相槌……どちらもハンドルを握らないし、ブレーキも踏もうとしないし、どうしようもないからただ進んでいるだけに感じた。きっと平日は仕事漬けで、出会いもなくて、25歳くらいで、炊飯器の残りでおこげを作るのがささやかな楽しみなんだろうな。まあ、炊き立ての次に美味しいのがおこげだって実際言ってたし。
この2人、再び会うことはあるんだろうか。
そのカップルが去ってからようやく自分の調べ物や考え事に集中できた。
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友達が来た時には、左翼の老人とサブカルの若者ばかりだったと言っていたが、今回日曜の16時に来たからカップルだらけだったのだろうか。私の座ってた大テーブル以外の席も男女のペアだった。1組は物静かですぐに退店してしまって、もう1組はサークルか何かで次の企画を考えている最中のようだった。カップルだったかは分からない。
男女のペアが退店しては1人客が来店し、店は常に満席だった。私が帰る頃には、みんな編み物をしたり本を読んだり新聞を広げていた。なんか、牛乳が入ったコップが透明になるまで水道水を注ぐみたいな感じで、面白かった。