。+:゚⋈根無草⋈:゚+。

28歳独身フリーター、竹ノ塚ツブ子。夢なし!目標なし!彼氏なし!実家暮らし!人生暇つぶし!

モテる旧友に会いにいく

禁煙146日目

[今日やったこと]
友達に会う。買い物する。

5年ぶりに、小中同じ学校で大学までよく会っていた友達に会った。全然変わっていなかった。変わらずかわいかったし、昔めちゃくちゃモテていた頃と中身も変わってなかった。
なんかもうどう表したらいいか分からないのだが、そりゃもう男が惚れるわけですわと思うのであった。自分の芯はしっかりしているけど、「他の人とは違うんで」というようなひけらかしは一切せず自然体だし、こちらが訊かないかぎり自分の話はほぼしないのでミステリアスだし、逆に私に色んなことを聞きたがってくるから気があるんじゃないかと勘違いしそうになる。危ない。私が男だったら惚れてたかもしれないけどもう惚れてるのかもしれない。なんなら私の書く小説の女の子のモデルほぼ全員彼女だし、やっぱり惚れてるのかもしれない。
あと人の悪口も噂話も好きではない。もちろん人の恋人に手を出したり、気になってる異性がいる男にわざわざ寄っていって力比べしたりしない。同性からも嫌われているところを見たことがない。あざとさが一ミリもないのだ。ちなみに私の知る限り、彼女を好きだった男子は悉く「ウザい」「キモい」「勝算がない」と裏で彼女以外の人から言われていた。かわいそうに。今彼女は結婚はしていないが同棲はしている。今までの恋人は全員外国人で、日本人はみんな振られていた。
よくあるパターンだが、私が中学で一番仲の良かった女子は間違いなく彼女だが、彼女の一番仲の良かった人はおそらく別の人だった。それゆえに、私から誘うことが憚られることはしばしばあった。
そうこうしているうちに、会うのが5年ぶりになった。連絡を取るのさえ4年ぶりくらいだ。だから、私が婚約破棄して仕事も辞めて実家に戻ったことなどは知らせていなかった。
実家はうるさくて仕方ない、という話をしたら、家族が一緒にいられる時間は貴重だから大切にねと言われた。彼女の家は離散している。小学校の頃はよく彼女の家で遊んだから、実家にいたうるさかった祖父母のことや、顔が全く似ていないグレた姉のことは覚えているし、お父さんやお母さんに一緒に遊びに連れていってもらったこともある。「犬飼うことになった」と言って見せてもらったときは小4で、トイプードルは子犬だった。
高校の近くに住むことになったと言って案内してもらったとき、彼女と母親以外の気配がないことに気付いた。姉には子どもができたと言っていたから、嫁いだのだろう。祖父母はいつのまにか亡くなっていた。彼女は就職して家を出て東京に暮らすようになった。大学まで一緒に暮らしていたお母さんが亡くなったのは、確か今から3年前。彼女ではなく、彼女を保育園時代から知っている、同じグループの別の友達から聞いた。葬儀には呼ばれなかったし、何て声をかけたらいいか分からなくて、疎遠になってしまった。
2週間くらい前に、夜中にいきなり彼女からラインが来た。とりあえず瑛人の「香水」を聴いた。ラインのアイコンがウェディングドレスになってるけど、結婚したの?とのことだった。ラインのアイコンをウェディングドレスにしておいてよかった。無闇やたらと結婚を匂わせるアイコンにしておくと、思わぬ人から連絡が来る可能性があるのでオススメだ。
そういうことで今日会ってきたのだが、やっぱり結局自分の話ばかりしてしまった。自分のコミュニケーション能力の低さが恨めしい。今度は近いうち美術館にでも行こうと約束した。
もしまた会えても、何度会っても、私が訊かない限り彼女は自分のことを話さないし、多分ずっと、そうなんだろうと思う。


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