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28歳独身フリーター、竹ノ塚ツブ子。夢なし!目標なし!彼氏なし!実家暮らし!人生暇つぶし!

三浦半島一人旅

先週、三浦半島に一泊二日で旅行に行ってきた。もちろん一人だ。とりあえず今回は雑に写真でも貼っておこうと思う。

三浦半島の駅と京急バスを2日間自由に乗り降りできるフリー切符を手に入れた。
「まぐろきっぷ」という名前の、まぐろ料理を1食提携店で無料で食べられたり、観光施設で割引が効いたりするフリー切符もある。でも綿密にスケジュール立てをしないと、特典のお土産をもらい損ねたり、割引の効かない施設に入った時にもったいない気持ちになったりするとの事前情報を得たので、やめた。うまく使えばお得になることは間違いない。向き不向きがあるのも間違いない。

横須賀→久里浜→三浦海岸(宿)→三崎港→油壺→横須賀という感じで、ほぼ無計画に巡ってみた。

15時に横須賀でカレーを食べようとしたら、15時でも30分待ちだった。
横須賀中央駅前はなんとなく小田原と似た雰囲気のような気がした。同じ県だからか。帰ってきてから人に「横須賀は小田原を少し薄めてカレー味にして逞しいアメリカ人を投入した感じ」と説明しているので、横須賀市民は怒るだろうと思う。
軍港を観ようと一瞬思ったけど、横浜から思った以上に近かったのと、ベイスターズ2軍の球場にきっと今年中に行くだろうと思ったので、その時巡ることにした。横須賀なら日帰りで来られる。いや多分本気を出せば三浦半島も1日で1周できるのだけど。

久里浜駅前。のぼりがあるだけでシャッター街が賑やかに。

散々道に迷って、くりはま花の国にたどり着いた。ポピーとネモフィラ。17時でほとんど人はいなかった。

また電車に乗って、この写真を撮るためだけにYRP野比で下車。アルファベットの駅名はレアで、YRPとは「横須賀リサーチパーク」の略らしい。駅前は閑散としている。ちなみに「YRP野比」と検索すると、サジェストに「YRP野比 地獄」と出てくる。

三浦海岸駅から少し歩くと海がある。民宿のチェックインが18:30だったので、海で少し時間を潰した。女性が1人でサンドイッチを食べていて、その頭上をトンビが旋回していた。トンビは人間が食べ物を持っていることをどのくらい認知できるのだろう。あの類の鳥だから頭はいいのだろうけど、例えばオカリナを吹いていたとしたら、何かを食べる動作と似てるから狙いに来たりするのだろうか。あるいは、サンドイッチを持っていたとして、堂々と空に向かって掲げていたとしたら、かえって気づかないものだったりするのだろうか。
女性の頭上を飛んでいたトンビは、いくらでもチャンスがあっただろうに、ついに食べ終わるまで手を出してこなかった。


民宿。素泊まり4500円。かなり年季が入っているけど掃除は隅々まで行き届いている。一人旅は宿がどんなに古かろうがセキュリティが弱かろうが、自分が納得できさえすればどこでも構わないので良い。恐らく女性客は私1人だった。風呂も独占できた。

トイレが廊下なので、夜はとても怖かった。この階私だけらしかったし。

20時頃に少し晴れたので、月明かりを頼りに海辺のコンビニまで酒を買いに行った。
初めてちゃんと夜の海を海岸で見た。前に想像だけで夜の海を小説で書いたけど、私の想像力って乏しいんだなと思った。月が雲に隠れると、自分の周りは暗くなって、月明かりが射してる沖の方の水面だけが光っていた。遥か遠くにスポットライトが当たっているのを見ているようだった。なんだか寂しい気持ちになった。

酒飲んでずっとこれを読んでいた。

千種創一さんの歌集。
行きの電車では1日の計画を立てていたのであまり読む時間がなかったのだけど、とても良い歌集。ちなみに当旅行は失恋慰安旅行でもあるため、この歌集がマジで沁みて超悲しくなった。
失恋に関しては機会があればまた別の時に。まあ推しにリアコして自滅したみたいな話で、告ってフラれたとかではないのだが。

翌日は電車とバスを乗り継いで三崎港へ。晴れるって書いてあったのに雨降ってきた。



内陸育ちのため、こういった景色はとても新鮮。バイク乗りがブンブンしながら港に集まって来ていた。ライダーが集まるスポットらしい。私も男に生まれていたら、中年になった時にバイクを趣味にしたかった。


市場。新鮮な魚が集まっている。
色々巡った中で三崎港のお土産を一番入手しやすいのはここだった。ただ、ほぼ生ものなので持って帰ることは容易ではない。
「安いよ安いよ」とは言っていたが、私は普段からスーパーには寄り付かないし、ましてや鮮魚コーナーには絶対に立ち寄らないので、値段を聞いてもあまりピンとは来なかった。
三崎港は三崎口駅からバスで行くのだが、三崎口駅前は想像を絶するほどお土産を売っていない。絶対需要あるのに。

そして

お目当てのまぐろ!赤身、中トロ、大トロの食べ比べメニュー!!!
めちゃくちゃ美味しかった。並ばないにしても朝9時からお店は結構混んでいた。
私は兼ねてから「大トロは脂っぽすぎるから中トロで充分だな」と思っていたのだが、三崎港の刺身を食べて、その気持ちが覆らなかったので逆にびっくりした。「脂身が多い」と「脂が乗っている」は全く別の事象だとはっきり分かり、最終的に「中トロが最高」という結論に至った。
食べてる最中も、店員さんが今日入ってきた魚の名前をホワイトボードにマグネットで貼っていった。マグネットにないものは手書きで書いていた。レアなのかもしれない。
刺身とは別で、メカジキの角煮の小鉢がついていて、それも最高に美味しかった。店頭で販売していたので家族のお土産に買って帰りたかったが、保冷剤が3時間しか持たないとのこと。これを買ったらダッシュで家まで帰る必要があり、断念した。


暇だし寒いので温泉に入った。昼時に行ったからかそんなに混んでいなかった。露天風呂に入ったら、海が見えた。ボートやヨットも見えた。向こうが望遠鏡を持っていたら、この露天風呂も丸見えだろうなと思った。
脱衣所の洗面台でメイクを塗り直していたら、小学3年生くらいの女の子が全裸で鏡に映り込んできて「おっぱーい!!!」と言い出したのでめちゃくちゃびっくりした。どうやら最近自分のおっぱいが大きくなり始めて、ものすごく誇らしいようだった。最近の子は発育がいいなと思ったけど、私もおっぱいの成長は小2からだったし、めっちゃ嬉しかったのも覚えているので、その子の気持ちもよく分かる。
その子が鏡の前で頑張って谷間を作ろうと試行錯誤しているうちに、その妹も「おっぱーい!!!」と言いながら全裸で鏡に映り込んできた。小学1年生くらいでまだ幼児体型だったけど、お姉ちゃんと張り合おうとしていた。鏡に映らない所から母親らしき人が「やめなさい」と言ってるのが聞こえた。妹の方が「〇〇もおっぱい大きくなる?」と母親に訊いていたけど、母親は「やめなさい」としか言わなかった。子どもは純粋でいいなあと思った。

土日休みになって気付いたことがある。子どもが多い。これでも少子化なのか。思ってた5倍くらいいる。




花が綺麗と聞いて、ソレイユの丘というところに来てみた。
写真に写っていないところに人が沢山いる。ネモフィラ畑の向こうでは、家族連れがテントを張っていた。バスを降りた瞬間から、場違いな所に来てしまったことを薄々感じ取っていた。
そもそもこの公園自体が、子ども向けのレジャー施設らしい。どこを見ても家族連ればかりだ。もちろん、本格的なカメラを携えたおじさんなんかは脇目も振らずに必死に花の写真を撮っているわけだけど、それはもう別枠である。そしてそんなおじさんのことを誰も気にしていないように、独身アラサー女が1人で来ていても誰も気にしていないはずだ。でもどうしても肩身が狭い。ぼんやりしていると子どもを蹴ってしまいそうで怖いし、別に自分は先を急いでいるわけじゃないしと思うと、あらゆる人に道や場所を譲ってしまい、全然前に進めない。食べ物を買う列に並ぶことすら申し訳なく思う。いやしかし、こういう場所で平然としていられなければ今後生きていくのは大変である。
と思いながらそそくさと撮った写真が上のやつである。
ターザンやトランポリンの遊具で遊ぶ子どもを見て私もやりたいなあと思った。その子どもを見守る夫婦が恐らく私とほとんど変わらない年齢に見えて、立派だなあと思った。数々のテントを見て、ここに来るまでの彼らの経緯を考えた。
テントがあるということはテントを買ったわけだ。ここに子どもを連れてくるには、基本的に車がないといけないから、車も買ったわけだ。子どもがいるということは子どもを産んだわけで、子どもを産むということは基本的に結婚しているということで、結婚しているということは男女が出会ったわけで、一方私はアラサー独身女である。なんだこの果てしない距離。
私は自分で結婚しないという選択をしたし、別に恋人もいらないと思っている。が、それはそれとして先日失恋しているので、この状況はかなり心が抉られた。羨ましいとはまた違うけど、自分の不甲斐なさみたいなものを感じた。
身長が足りなくて遊具に乗れなかった子どもが泣いていて、母親が「大きくなったらもっとたくさん遊べるようになるからね」と宥めていた。今後出来ることが増えていく、というのは切実に羨ましい。自分や家族の衰えを毎日目の当たりにしているからか、子どもの成長を楽しみに生きることをより一層鮮明に想像できるようになってきた気がする。いいなあ、未来があるというのは。
特にこれといって生き甲斐や入れ込んでいる趣味がないから、人生手持ち無沙汰だなあと最近感じる。このところ、社会人になった妹に構ってもらえなくなった母親が、やたらと私の世話を焼こうとしてくる。私はもうアラサーだよ。結婚もしないし、子どもはできないし、あんたの子育てはクリアしてるよ、と母親に対してよく思う。あっちも手持ち無沙汰なのかもしれない。

ソレイユの丘を後にして、横須賀中央駅に戻ってお土産を買った。カレー味のおつまみを家族向けと会社向けに。まぐろの佃煮は常温で持って帰れそうだったので、それも家族向けに購入した。
しかしやっぱり三崎港で食べたメカジキの角煮を誰かに味わってほしくて、3日くらいしてからネットで購入した。1袋600円で、送料が1400円。なんか腑に落ちないので3袋買った。術中にはまっているという感じがする。クール便だから仕方ないか。
旅行から1週間経って、注文したものが届いた。ほとんど目の見えない祖母とほとんど耳の聞こえない祖父に「メカジキの角煮が届いた」と説明するのは結構大変だった。

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