。+:゚⋈根無草⋈:゚+。

28歳独身フリーター、竹ノ塚ツブ子。夢なし!目標なし!彼氏なし!実家暮らし!人生暇つぶし!

コンプレックスを思い出す

禁煙20日

[今日やったこと]
頼まれた事務作業の続きをする。保険証を返送する準備。パソコンで楽譜を作ってみる。ピアノ。リングフィット。読書。
[今日の家事手伝い]
夕飯の皿洗い。灯油汲み。

最近の店番は店で待機せず、呼び出しがかかったら3階から1階に降りるというシステムを取っている。今日は一度も呼び出されなかった。暇だったのか。灯油を汲みに行く以外に靴を履いていないし、外の様子を見たりもしていない。

今日はパソコンで楽譜を作るソフトをいじってみた。夏にピアノを購入したタイミングでソフトを入れたのだけど、忙しくて触れていなかった。マウスでポチポチ音符を足していったりする。ピアノから直接入力することも可能らしい。再生もできる。すごい。実は弾きたい曲がいくつかあり、楽譜が存在しないので、自分で楽譜を作ってから練習しようと思っている。絶対音感があるのだ。絶対音感なんてなんの役にも立たないと思っていたけど、自分で楽しむ分には生かしどころがありそうだ。
今日はとりあえず練習がてらに、既存の楽譜をその通りに打ち込むというのをやってみた。小さい頃から楽譜を読み慣れていたので演奏の指示は分かるけど、名前の分からない記号にいくつかぶち当たり、入力に手こずった。記号の名前を調べるところからソフトの操作まで辿り着かなければならず、30分かかってようやくアルペジオという記号を出すことができた。
人に教えてもらって入れたソフトだけど、オーケストラのスコアまで入力ができそうな本格的なものに見える。楽譜の仕組みが分からなかったら、いくら機械が得意でも相当厳しいのではなかろうか。
他人の曲を勝手に楽譜にして配布するのが、どこから法律に引っ掛かるのか気になる……。YouTubeで演奏風景を垂れ流すのもわりとグレー寄りの気がする。
まあ、当分完成はしないだろうから、しばらくは新しいおもちゃで遊ぶつもりでやってみようと思う。

河合音楽教室に2歳から13歳まで通っていた。幼稚園も音楽教育に特化したところだったから、小学校に上がって、楽譜が読めない人がいると知って衝撃だった。そこから高校2年の選択科目で音大を目指す人たちとうっかり一緒になるまでは、音楽の授業は休み時間も同然だった。
親は2人とも楽器ができない。基本的な楽譜が読める程度なのだと思う。特に小学校に上がるときにグループからソロに移行したあとは、母にピアノの隣に居てもらうということは一切なかった。週一で30分のレッスンがあり、家での練習は楽譜についているCDを聴いてその通りに弾くなり、自分の演奏をカセットに録音して癖を直したりするくらいだった。
1歳のときにおもちゃのピアノを与えられ、それを気にいっていたから、両親は音楽教室に通わせることを決めたらしい。自分の意向を押し付けないいい親だと思う。おままごとを熱心にやる子だったら料理を教えようと思っていたようだが、私はおままごとが嫌いだった。まさか27歳になるまで料理ができない人間に育つとは思わなかっただろう。
家の喫茶店は祖父が開業した。父とその姉は幼い頃からこの家に暮らしていたから、色んな食べ物がうちにあり、両親がいつも料理していて、お客さんに顔を覚えられるというのは、私と同じだ。食事前、食事中、食後、ずっと食べ物の話をしている。テレビはニュースとグルメ番組と健康情報番組ばかり。昔からずっとそうなのだと思う。
父は昔から料理に興味があって、幼稚園の遠足では友達と遊ばず寝そべってウイスキーボンボンを舐め、小学校はカクテルの図鑑を眺め、高校の頃には喫茶店の手伝いでメニューの説明までできて、調理師専門学校に進学した。
一方私の叔母にあたる父の姉は全く料理することに興味がなかった。つまみ食いばかりしていたようだ。「結婚すれば嫌でも身につくんだから、そんな気負う必要ないよ」と大昔に私に言ってくれたが、叔母はとにかく美食家だった。家も近いのでいろんな飲食店の情報をくれるし、流行りのお菓子があれば何も言わなくても持ってきてくれる。外食が趣味なのだと思う。ちなみに仕事は長らく郵便局のパート勤めだ。
そんな叔母には息子が2人いて、長男は料理をしないようだが、次男は私の父と同じ調理師専門学校に進んだ。叔母が色んな店に連れていったことが影響しているような気がする。この家に育ったけど料理に興味がないという点で、叔母は私の先輩である。私も色んな美味しい店を知る美食家でありたい。
血筋とか育った環境のことを、ときどき考える。
中学2年でピアノをやめた。技術の磨き方も方向性も分かるけど、個性や情緒が全然理解できないし、評論を求められると頭が真っ白になる(そもそも全てのジャンルにおいて評論が苦手だ)。吹奏楽部に属していたけど、音楽そのものがよく分からなくなっていた。音楽一家の子が私の隣でクラリネットを吹いていた。家はピアノ教室で、小学生の頃たまに遊びにいったが、グランドピアノもエレクトーンも家に何台もあり、尺八とか普段目にしない楽器もたくさんある家だった。もちろんその子とは幼稚園も一緒である。夏休みにはドイツで現地の先生にピアノを習っていると言っていた。個性のことはよく分からないけど、技術が圧倒的なのは私にも分かった。私はかなり苦労して5和音が判別できるレベルだけど、彼女は6和音を余裕で当てられる。楽譜を渡せばすぐ弾ける(音大の人たちは難なくこなしているが私には想像できない世界)。おまけに成績もずば抜けていたし、性格もとても良かった。彼女ほどの聖人を未だかつて見たことがない。要するに私は全くもって彼女の足元にも及ばなかった。
私は学年で2番目にピアノが上手いと思っていたが、周りからは下手くそだのしゃしゃるなだの言われた。ミスがなければ上手い下手の違いが素人に分かるはずもないと思っていた。しかし絶対音感がなければそもそもミスは聞き取れないらしい。周りが「音楽一家の子」と「ピアノ教室のコンクールで地区大会すら突破できない子」のレッテルを比べているのか、私に聞き取れない演奏の個性や情緒で判断しているのか分からなくて、コンプレックスが炸裂した結果、ピアノは辞めた。
音楽一家のあの子の家では、家族と何を話すのだろう。きっとうちみたいに、食べる前から食べた後までずっと食べ物の話をしたりはしていないだろう。
昨日も書いたけど、私は芸大に通っていた。もちろん音楽以外の分野だが。芸大には家族全員芸術関連の仕事をしていたり、教養のある家で育った人も多かった。そういう人を見ると、私とはそもそもスタートラインが違うのだとよく思った。あるとき私の父に恋人の話をする際「寺山修司の」と言ったところ「寺山修司?有名な人?」と訊かれたことがある。当時は愕然としたけれど、私は卵焼きが作れないので、このことは水に流そうと思う。
もしかして、フライパンを握り、根拠のない自信とやる気に満ち溢れたら、急に料理の才能が開花したりするんじゃないか。ということを考えたりする。モカジャバとカフェモカの味の違いすら分からないのに。


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