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28歳独身フリーター、竹ノ塚ツブ子。夢なし!目標なし!彼氏なし!実家暮らし!人生暇つぶし!

さよなら赤羽

一人暮らし、本日終了

 

引っ越し作業は朝4時までかかり、2時間半寝て最後寝室の布団とカーテンをしまった。ちょうど全部荷造り終える頃に引っ越し業者が到着し、ものの30分で全て運び出していった。

引っ越し作業中、古紙が回収されていることを確認するために窓を開けて下を覗いたら、ゴミはちゃんと回収されていた。道の突き当たりにある小学校に向けて小学生が集団登校していたが、アパートの前に停められた引越しトラックを避けて列を成していたので、蟻の行列を見ている気分だった。その小学生を見守る親たちが5人くらいいたが、交差点で案内していたはずのおじさん2人と、なぜか警察官も2人小学生の列についていて、なんか、引越しトラックが邪魔になってないかなと心配になった。

8時半過ぎには引っ越しのトラックが出発し、実家での荷下ろしも午前中には終えることができた。

 

丸4年住んでいたけど、清野とおるの「東京都北区赤羽」という漫画を読まなかったな。エレカシもそんなに聴かなかった。林家ペーパー夫妻は駅前のイトーヨーカドーの地下によくいるという噂だったけど、あの目立つ風貌でも見かけなかったし、もちろん壇蜜もいなかった。

赤羽は2017年だかのランキングで、住みやすい街No.1になったらしい。住みやすいが住みたいかと言われるとそうでもないらしい。私はどこに住んでいるのか訊かれたとき、赤羽と答えていたけど、正確には北赤羽というひとつ隣の駅の近くに住んでいた。本当は赤羽壱番街あたりの飲み屋街に住みたかった。赤羽に住んでいると言うと、必ずと言っていいほど酒飲みなのか訊かれる。別にそうではないのだけど、美味しい食べ物がたくさんあるところと、賑やかなところは好きだ。

それにしても朝から晩まで飲める街なので、特に今回の緊急事態宣言からこっち、昼間からかなりの酔っ払いを見かけたりもする。日差しに照らされながら屋外席のテーブルを囲んで大声をあげている人たちを見ると、白夜ってこんな感じなのかなと妙な気分になったりした。

ある日の夜7時頃、赤羽の飲み屋街の一角でボヤがあり、電線に支障が出たらしく一部の区画が停電になっていた。何軒かは店頭でスタッフが、停電で新規客は受け入れられないと謝っていたが、すでに入っている客らが暗闇の中で騒いでいるのが奥から聞こえてきて、図太い人たちだなあと思った。

 

同棲しよう、となったとき、事情があって元彼が東京都から出ることができなかったので、妥協点として選んだのが赤羽だ。私の職場は埼玉がほとんどだったので、私としては埼玉が良かった。東京は家賃が高い。スーモやら何やらで散々探していたが、行ったことのない土地だからとりあえず行こうということになった。チェーンの不動産屋のガラス窓を見て回ってもなかなかいいのが見つからず、諦めかけていた頃、地元密着型の小さな不動産屋に4枚だけ張り出された間取り図の中に、今の部屋を見つけた。家賃は相場より1.5万ほど安かった。閉店15分前に滑り込んだのに、すぐ内見に連れて行ってくれて、その場で仮契約した。しかもその時点で親に同棲を考えている旨を伝えていなかったため、電話口で急に「来月実家を出て彼氏と同棲する」ということを伝えた。不動産屋さんがとてもいい人で、軒先で30分も電話してる私をずっと待っていてくれた。

相場よりはるかに安いので、事故物件かと思ったけど、何も問題はなく、前入居者は女子高生とその母親の2人暮らしで、契約満期で退去したようだった。入居後しばらくは、予備校の案内がアパートの郵便受けによく届いていたが、そのうち成人式の振袖の案内にかわり、やがて前入居者宛のDMは来なくなった。名前から推測するに、沖縄の血が流れているようだった。名前とぼんやりとした年齢しか分からないが、その子の成長を少しだけ見たような気がしていた。

ちなみに事故物件ではなかったが、オートロックなしインターホンなし、階下が居酒屋のためゴキブリがよく出た。ゴキブリに関しては、飲食店育ち故ウジャウジャ出なければさして問題ではなかった。3階建の2階なのに浴室の天井裏に鳥が住んでいたりもした。私は見ていないが直径70センチの鳥の巣が2つもあったらしい。なんの鳥だったのだろう。壁に穴が空いていたので塞いでもらい、それからは鳥は来ていない。ネズミも出た。玄関と靴箱の下に隙間があり、階下から出入りしていたようだ。私はあまり気にならなかったが、元彼はネズミが嫌いで、大揉めになった。正直それが別れようと思ったきっかけだった。そこから別れるまで1年ほどかかってしまったけど。

2019年の8月から一人暮らしを始めた。もともと私名義で借りたアパートだし、家賃を始め生活費のほとんどは私が出していたので、一人暮らしになってからは貯金もできて時間も自由で最高だった。都心からも近く、いろんな人が遊びに来てくれた。

またいつか一人暮らしをするなら、赤羽近辺がいいなと思っている。今よりいい物件は多分見つからないだろうけど。

 

この日記での私の名前は「竹ノ塚ツブ子」というが、竹ノ塚は実は縁もゆかりもなく、行ったことすらない。是非行ってみたいところではあるけれど。

 

明日からは竹ノ塚ツブ子、家事手伝いという名の穀潰し編が始まります。再就職するまで毎日日記は書き続けるつもりなので、今後ともよろしくお願いします。